工場長が、「うちの当たり前」を一枚に書いて、新人に渡した話
古参の背中を見て覚える、は、悪い癖も、写してしまう。良い当たり前を、紙にして見せた。
読むStory
電機メーカーの、人事課長、岡田は、面談が、苦手だった。
部下に、聞く。
「最近、どう」
部下は、答える。
「問題ありません」
それで、終わる。
あとで、部下が、休職した。
岡田は、悔やんだ。
あの面談で、何も、気づけなかった。
先輩の、柴田に、相談した。
柴田は、言った。
「話す前に、見ているか」
岡田は、首を傾げた。
「見る」
「部屋に入ってきた時の、顔。座り方。声の大きさ」
柴田は、続けた。
「いつもとの、差を見る」
次の面談で、岡田は、試した。
部下の、野村が、入ってきた。
表情が、硬い。
肩が、少し、上がっている。
声も、いつもより、小さい。
机の上に、置いたノートは、新しい。
岡田は、観察したことを、頭に、置いた。
そして、言った。
「今日は、時間を取ってくれて、ありがとう。少し、疲れていないか」
野村は、少し、間を置いてから、答えた。
「実は、先月から、眠りが、浅くて」
岡田は、決めつけなかった。
「そうか。仕事のことか、それ以外か、どちらが、近いかな」
野村は、答えた。
「仕事、です」
話が、動き出した。
岡田は、上司と連携し、業務量を、調整した。
産業医との、面談も、設定した。
三か月後、野村は、元気を、取り戻した。
岡田は、手帳に、書いた。
話す前に、三十秒、見る。
その下に、足した。
見たことは、事実。理由は、仮説。
この物語はフィクションです。実在の人物、団体、企業とは関係ありません。
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古参の背中を見て覚える、は、悪い癖も、写してしまう。良い当たり前を、紙にして見せた。
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