悩みのテーマ 部下の育て方・指示の出し方 関連 仕組み化・数値化・意思決定

Story

保険代理店の所長が、数字だけを追って、面談で言われた一言の話

保険代理店 所長・40代後半 評価・給料

保険代理店の所長、小川は、数値化を、取り入れて、半年が、経った。

訪問件数。契約件数。面談の回数。

営業所の成績は、確かに、上がった。

小川は、手応えを、感じていた。

月次の面談で、ベテランの、佐藤に、言った。

「今月の訪問件数は、二十件。目標の、三十件に、届いていない」

佐藤は、静かに、頷いた。

「はい」

「来月は、三十件、お願いします」

「分かりました」

佐藤は、それ以上、何も、言わなかった。


翌週、佐藤が、面談の後に、小川のところに、来た。

「所長、少し、いいですか」

「どうした」

「正直に言うと、今月は、新人の鈴木さんの、同行を、毎日のように、していました。訪問件数には、入っていませんが」

小川は、言葉を、失った。

数字には、出ていなかった。

「その、同行の件を、なぜ、面談で」

「数字の話しか、されなかったので、言いそびれました」

小川は、息を、吐いた。


その夜、小川は、数値化の本を、開き直した。

数字は、状況を、知るための、道具だった。数字だけで、人を、判断するためのものでは、なかった。

自分は、数字を、見ているだけで、人を、見ていなかった。


翌月の面談で、小川は、佐藤に、先に、言った。

「先月は、数字だけを、見て、すまなかった。鈴木さんの同行の件、助かっていた。ありがとう」

佐藤は、少し、驚いた顔を、した。

「いえ」

「今月は、訪問件数と、同行の回数と、鈴木さんの成長の、三つを、見たい。数字を、一緒に、決めたい」

佐藤は、頷いた。

同行の回数が、数に入った。新人の、契約件数も、見るようになった。


三か月後、営業所の、数字は、さらに上がった。

新人の鈴木が、初めて、契約を、取った日、小川は、佐藤に、言った。

「あの同行が、実を、結んだな」

佐藤は、小さく、笑った。

小川は、手帳に、書いた。

数字は、状況を知る道具。人の事情は、聞かないと、分からない。

その下に、足した。

面談は、数字と、事情の、両方で。

この物語はフィクションです。実在の人物、団体、企業とは関係ありません。

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