悩みのテーマ コールドリーディング・話術

Story

社内講師の係長が、「分かりましたか」をやめて、仮説を問いにした話

通信会社 研修担当係長・30代後半 人間関係

通信会社の、研修担当係長、石井は、新人研修の、講師を、務めていた。

説明の、あとで、必ず、聞く。

「分かりましたか」

新人たちは、頷く。

全員が、頷く。

だが、実習になると、手が、止まる。

石井は、首を傾げた。


ある日、先輩講師の、松本が、後ろで、見ていた。

終了後、松本は、言った。

「分かりましたかは、答えにくい質問だ」

石井は、聞き返した。

「どうしてですか」

「分からないと言うのは、勇気がいる。だから、頷く」

松本は、続けた。

「観察から、仮説を立てて、問いにしてみろ」


次の日、石井は、試した。

説明の途中で、受講者の、表情を見た。

三列目の、女性が、眉を寄せていた。

石井は、仮説を立てた。

用語が、難しいのかもしれない。

そして、言った。

「ここまでで、用語のほうが、難しいですか。それとも、手順のほうでしょうか」

女性は、少し、驚いた顔で、答えた。

「用語です。契約の、略称が」

石井は、言った。

「失礼しました。言い換えます」


選択の形にすると、受講者は、答えやすかった。

外れた時も、気まずくならない。

石井は、「失礼しました」と言い、すぐに、別の問いを出した。

外れは、情報に、なった。


三週間後、受講者の、アンケートに、書かれていた。

「質問しやすい雰囲気だった」

石井は、手帳に、書いた。

分かりましたか、をやめる。

その下に、足した。

仮説を、問いにして、確かめる。

この物語はフィクションです。実在の人物、団体、企業とは関係ありません。

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