工場長が、「うちの当たり前」を一枚に書いて、新人に渡した話
古参の背中を見て覚える、は、悪い癖も、写してしまう。良い当たり前を、紙にして見せた。
読むStory
広告会社の、企画課長、西田は、会議の説明が、苦手だった。
資料を、作る。
資料の通りに、話す。
終わると、役員が、言う。
「ええと、結局、何が言いたいのか」
西田は、焦った。
先輩の、佐久間が、言った。
「話しながら、聞き手を、見ているか」
西田は、正直に、答えた。
「資料を、見ています」
佐久間は、言った。
「うなずき、視線、姿勢、質問。四つを、見ろ」
次の会議で、西田は、試した。
一枚目で、役員の、うなずきは、浅く、速かった。
先を、急いでいる。
西田は、結論を、先に出した。
「結論から言います。来期は、二つの案件に、絞ります」
役員の、姿勢が、前に、傾いた。
三枚目に、入った。
営業部長の、視線が、時計に、逸れた。
西田は、具体例に、切り替えた。
「去年の、同業の事例では、問い合わせが、二倍になりました」
視線が、戻った。
最後の、五枚目。
誰も、質問をしない。
西田は、確かめた。
「ここまでで、気になる点は、ありますか」
経理部長が、手を挙げた。
「予算の根拠を、もう少し」
西田は、補足した。
会議の後、役員が、言った。
「今日は、分かりやすかった」
西田は、手帳に、書いた。
話しながら、見る。
その下に、足した。
個人差があるので、一つの合図で、決めない。
この物語はフィクションです。実在の人物、団体、企業とは関係ありません。
Stories
人間関係の話を先に並べています。
古参の背中を見て覚える、は、悪い癖も、写してしまう。良い当たり前を、紙にして見せた。
読む会議では、全員が、頷いた。紙に、書かせたら、三分の一が、不安と書いていた。
読む一人で始めると、浮いて見える。二人目ができた日から、営業所の空気が変わった。
読む注意しても、増えなかった。実施している人の割合を、そのまま貼ったら、少しずつ、動いた。
読む反対は、出なかった。ただ、一人だけ、視線が泳いでいた。空気に合わせていたのは、自分も同じだった。
読む正確な説明は、伝わる説明とは限らない。社長の言葉に、直したら、承認が下りた。
読む急がされた時ほど、一度止まる。一晩の間に、契約書の中の、見落としが見えた。
読む飾るのではなく、整える。姿勢と挨拶と一言で、新しい職場の空気は、少し、やわらいだ。
読む悩みのテーマ