化学メーカーの品質管理課長が、説明会で白い紙を回した話
全員が、うなずいていた。全員が、分かっていなかった。
読むStory
設計事務所の、設計担当、吉川は、所長の、席に、行った。
「所長、ちょっと、相談が」
「どうした」
「お客様が、窓の位置を、変えたいと、言っていて、どうしましょう」
所長は、顔を、上げた。
「どうしましょうって、何を、どうしたい」
吉川は、言葉に、詰まった。
「ええと」
所長は、鉛筆を、置いた。
「十分、話を、聞かないと、何の相談か、分からない」
席に、戻って、吉川は、思った。
相談した、つもりだった。相談が、できていなかった。
先輩の、笠原に、聞いた。
「所長への、相談って、どう、してる」
笠原は、少し、考えて、答えた。
「何を決めたいかと、自分の案を、必ず、持っていく」
「案がないときは」
「案がないなら、相談する、段階じゃ、ない。もう少し、自分で、考える」
吉川は、メモに、書いた。
翌日、窓の件で、もう一度、所長の、席へ、行った。
「窓の位置の、変更を、受けるかどうかで、相談です」
所長は、頷いた。
「私は、受ける案を、考えています。ただし、柱の位置が、変わるため、構造の、確認が、必要です」
「うん」
「迷っているのは、お客様の、希望を、優先するか、工期を、優先するかです」
所長は、少し、考えた。
「この案で、進めて、いいでしょうか」
吉川は、最後に、聞いた。
所長は、図面を、見た。
「受けていい。ただし、構造の、確認を、先に、やれ。工期は、お客様に、先に、伝えろ」
三分で、終わった。
所長は、立ち上がる、吉川に、言った。
「今日の、相談は、いい」
吉川は、笑って、頭を、下げた。
その夜、吉川は、ノートに、書いた。
決めたいこと。自分の案。迷い。聞きたいこと。
その下に、足した。
案を持たない相談は、相手に、丸投げ。
この物語はフィクションです。実在の人物、団体、企業とは関係ありません。
Stories
人間関係の話を先に並べています。
全員が、うなずいていた。全員が、分かっていなかった。
読む五百円払えば、それで済む。そういう顔が、増えた。
読む悪い報告は、いつも、夕方に来る。
読む全部引き受けるのが、課長の仕事だと思っていた。
読む愚痴なら、毎日言っていた。
読む三ページ読んでも、何をしてほしいのか分からないと言われた。
読む言ったつもりだった。伝わったのは、機嫌だけだった。
読む質問は、聞くための道具だと思っていた。
読む悩みのテーマ