化学メーカーの品質管理課長が、説明会で白い紙を回した話
全員が、うなずいていた。全員が、分かっていなかった。
読むStory
物流会社の課長、原田は、定例会議の、席で、凍りついていた。
部長が、部下の、中西を、強い声で、責めていた。
「誤配送が、先月、三件。何を、やっているんだ」
中西は、うつむいた。
原田は、口を、開こうと、した。
開けなかった。
会議は、そのまま、終わった。
会議室を、出た、中西は、何も、言わなかった。
原田は、声を、かけた。
「中西くん」
「大丈夫です」
そう言って、中西は、席に、戻った。
大丈夫では、ない、ことは、背中で、分かった。
原田は、自分に、腹が、立った。
目の前で、部下が、責められた。自分は、黙って、いた。
その夜、原田は、誤配送の、記録を、見直した。
三件のうち、二件は、住所の、登録ミス。入力したのは、営業所の、別の担当だった。
中西は、荷物を、受け取って、配達しただけ。
一件だけが、中西の、確認不足だった。
原田は、時系列を、一枚の、紙に、まとめた。
誰が、いつ、何をしたか。事実だけを、書いた。
翌朝、原田は、部長の、席へ、行った。
「昨日の、誤配送の、件で、補足させてください」
部長は、顔を、上げた。
「何だ」
「三件のうち、二件は、住所登録の、段階で、ミスがありました。中西が、直接、起こしたのは、一件です。私の、確認の、仕組みが、不十分でした」
部長は、紙を、見た。
「そうか。登録の、ミスなら、話が、違う」
「中西の、一件は、本人も、反省しています。今後は、配達前の、住所確認を、二人で、する仕組みを、入れます」
部長は、頷いた。
「分かった。それで、進めてくれ」
その足で、原田は、中西の、席へ、行った。
「昨日は、その場で、守れなくて、すまなかった」
中西は、驚いた。
「いえ」
「部長には、事実を、伝えた。二件は、登録のミスだった。君の、一件については、仕組みで、防ぐ」
中西の、目が、少し、赤くなった。
「ありがとうございます」
その後、住所確認の、二人体制が、始まった。
誤配送は、翌月、ゼロに、なった。
原田は、手帳に、書いた。
その場で、守れなくても、いい。あとで、事実を、持って、動く。
その下に、足した。
部下には、必ず、伝える。守ろうとしたことを。
この物語はフィクションです。実在の人物、団体、企業とは関係ありません。
Stories
人間関係の話を先に並べています。
全員が、うなずいていた。全員が、分かっていなかった。
読む五百円払えば、それで済む。そういう顔が、増えた。
読む悪い報告は、いつも、夕方に来る。
読む全部引き受けるのが、課長の仕事だと思っていた。
読む愚痴なら、毎日言っていた。
読む三ページ読んでも、何をしてほしいのか分からないと言われた。
読む言ったつもりだった。伝わったのは、機嫌だけだった。
読む質問は、聞くための道具だと思っていた。
読む悩みのテーマ