悩みのテーマ 萎縮したチーム・発言が出ない組織

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地方テレビ局の部長代理が、沈黙の会議を、四週間かけて変えた話

地方テレビ局 部長代理・40代後半 人間関係

編成会議は、いつも、静かだった。

部長代理の吉村が、「何か、意見は」と聞くと、会議室は、空調の音だけになった。

三十秒。一分。

「……では、進めましょう」

吉村は、自分で、決めた。それが、毎週だった。

前任の部長は、強い人だった。意見を言うと、その場で、否定された。吉村は、そのあとを、引き継いだ。


初日の週、吉村は、決めた。

意見が出たら、**最初に、受け取る**。反論は、しない。

その週の会議で、新人の木村が、小さな声で、言った。

「夕方の枠で、地域の話題を、増やしたらどうかと」

吉村は、喉まで出かかった。予算が、ない。人手も、足りない。

飲み込んだ。

「そう考えているんですね。教えてくれて、ありがとう」

木村は、少し、顔を上げた。


二週目、吉村は、出た意見に、必ず、返事をした。

木村の案は、「来月、小さく試す」と言った。別の意見には、「それは、いまは難しい。理由は、こう」と答えた。保留の意見には、「金曜に返事する」と、言った。

金曜に、返事をした。

三週目、木村の案を、一つだけ、実行した。夕方の枠の、三分間のコーナーだった。

会議で、吉村は、言った。

「地域の商店街を、三分だけ、取り上げる。まず、二週間」

誰かが、小さく、頷いた。


四週目の会議で、吉村は、結果を話した。

「先月の木村さんの意見で、三分のコーナーを、始めた。視聴者からの反応は、少ないが、商店街から、問い合わせが、あった」

会議室が、少し、動いた。

中堅の佐藤が、手を挙げた。

「それなら、うちの担当の、地域でも、できると思います」

吉村は、その場で、メモを取った。

「ありがとう。次の会議で、案を、聞かせてほしい」


その日の会議は、いつもより、十五分、長引いた。

吉村は、終わってから、ホワイトボードの前に、立った。

四週間で、変わったのは、小さなことだった。意見が、二つ出た。一つが、形になった。

それだけだった。

それでも、会議室の空気は、前と、違っていた。

翌朝、吉村は、手帳に、書いた。

月に一度、聞く。会議は、発言しやすいか。

この物語はフィクションです。実在の人物、団体、企業とは関係ありません。

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