三度目の失敗で、課長が「立ち直った記録」を、取り出した話
落ち込んでいる最中は、前にも立ち直れたことを、思い出せない。記録が、先に、残してあった。
読むStory
通信会社の、営業企画課長、前川は、先月、予算の、見積もりを、大きく、外した。
上司から、厳しい言葉を、受けた。
前川は、焦った。
早く、取り返したい。
次の、大型案件の、募集に、すぐ、手を挙げた。
だが、上司は、言った。
「今回は、見送ろう」
前川は、肩を、落とした。
その夜、先輩の、課長に、話した。
「取り返そうと、したのですが」
先輩は、言った。
「自信が、下がっている時に、大きな仕事に、行くと、また、転ぶ」
「どうすれば」
「確実に、できる仕事から、戻れ。小さな成功を、積め」
前川は、頷いた。
翌週、前川は、定型の、月次報告書を、期限内に、出した。
誤字も、なく、数字も、合っていた。
その日の、終わりに、ノートに、書いた。
月次報告書、期限内に、提出。
一行だけ。
それで、少し、気持ちが、戻った。
二週目、前川は、小さな、提案を、一つ、出した。
会議の、資料の、フォーマットの、改善案。
課の、メンバーに、「使いやすい」と、言われた。
ノートに、書いた。
三週目、前回の、失敗と、同じ種類の、見積もりに、再挑戦した。
今度は、工数に、二十パーセントの、余裕を、足した。
結果は、予算の、範囲内に、収まった。
一か月後、上司が、言った。
「次の案件、やってみるか」
前川は、頷いた。
ノートを、見返した。
小さな成功が、十個、並んでいた。
自信は、そこに、あった。
前川は、手帳に、書いた。
小さな成功から、戻る。
その下に、足した。
挽回を、焦らない。
この物語はフィクションです。実在の人物、団体、企業とは関係ありません。
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