悩みのテーマ 中間管理職・板挟み 関連 評価・給料・キャリア

Story

電機メーカーの課長が、見えない調整の仕事を、数字で見せた話

電機メーカー 課長・40代後半 キャリア

電機メーカーの課長、中川は、評価面談の、席で、固まっていた。

「中川さんの、今期の、成果は」

部長が、書類を、見ながら、言った。

「納期の、遅れが、ない。大きな、トラブルも、ない。ただ、特に、目立った、成果は」

中川は、返す言葉が、なかった。

今期、中川は、部署間の、調整に、走り回って、いた。

営業と、設計の、板挟み。何度も、衝突を、収めた。

その苦労は、何も、起きなかった、という、結果に、なっていた。


その夜、中川は、考えた。

調整が、成功するほど、何も、起きない。

何も、起きないから、何も、していないように、見える。

翌日、中川は、一年分の、メモを、見返した。

営業が、急な、仕様変更を、頼んできたとき、設計と、調整して、納期を、守った件。

設計が、人手不足を、訴えたとき、他の課から、応援を、引き出した件。

全部で、十二件。

中川は、それを、数字に、した。


三か月後の、月例の、場で、中川は、部長に、五分、時間を、もらった。

「今月は、営業と、設計の、調整を、二件、行いました。仕様変更の、影響で、納期が、二週間、遅れる見込みでしたが、応援を、引き出して、納期を、守りました」

部長は、メモを、取った。

「それは、知らなかった」

「部下の、佐野は、今月、初めて、設計の、見積もりを、一人で、まとめました」

部長が、顔を、上げた。

「それは、いいな」


半年後の、評価面談で、中川は、持っていった。

調整の、記録。納期を、守った、件数。部下の、成長。

部長は、書類を、見て、言った。

「調整の、仕事が、これほど、あったとは」

「見えにくい、仕事ですので」

「評価に、入れよう」

中川は、少し、笑った。


その後も、中川は、月に一回、五分、部長に、伝え続けた。

自慢では、なく、事実の、共有として。

中川は、手帳に、書いた。

調整は、成功するほど、見えなくなる。

その下に、足した。

数字と、記録と、部下の成長で、見える形に、する。

この物語はフィクションです。実在の人物、団体、企業とは関係ありません。

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