化学メーカーの品質管理課長が、説明会で白い紙を回した話
全員が、うなずいていた。全員が、分かっていなかった。
読むStory
エアコン施工会社の主任、田所は、課長の席の前に、立っていた。
「課長、先週の、マンションの、取り付けの、件なんですが」
「うん」
「現場に、朝九時に、着きまして、まず、搬入経路を、確認しました。エレベーターが、狭くて」
課長は、時計を、見た。
「田所くん」
「はい」
「で、どうなった」
田所は、詰まった。
経過を、順に、話して、いただけだった。
「終わりました。ただ、一台、配管が、足りなくて」
課長は、ため息を、ついた。
「最初に、それを、言ってくれ」
席に、戻った、田所は、悔しかった。
全部、正しいことを、話していた。聞いてもらえない、理由が、分からなかった。
その夜、田所は、後輩の、報告を、聞いて、気づいた。
後輩は、こう、話した。
「結果から、言うと、予定通り、終わりました」
聞いていた、田所は、思った。
安心した。
その後の、経過は、聞きたい、人だけが、聞けば、いい。
田所は、手帳に、書いた。
結果。経過。課題。お願い。
翌週、同じ、課長の前で、田所は、言った。
「マンションの、B棟の、件です。取り付けは、予定通り、終わりました」
課長は、頷いた。
「課題は、一台、配管が、足りず、追加の部品が、必要です。お願いは、部品の、手配の、承認を、いただけますか」
課長は、すぐに、答えた。
「承認する。他は」
「以上です」
二十秒で、終わった。
課長が、後で、言った。
「最近、報告が、分かりやすい」
田所は、笑った。
「結果から、話すように、しました」
「経過は、いいのか」
「聞かれたら、答えます」
田所は、手帳に、足した。
報告は、相手が、次に、何をするかから、逆算する。
経過は、聞かれてから。
この物語はフィクションです。実在の人物、団体、企業とは関係ありません。
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人間関係の話を先に並べています。
全員が、うなずいていた。全員が、分かっていなかった。
読む五百円払えば、それで済む。そういう顔が、増えた。
読む悪い報告は、いつも、夕方に来る。
読む全部引き受けるのが、課長の仕事だと思っていた。
読む愚痴なら、毎日言っていた。
読む三ページ読んでも、何をしてほしいのか分からないと言われた。
読む言ったつもりだった。伝わったのは、機嫌だけだった。
読む質問は、聞くための道具だと思っていた。
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