悩みのテーマ 部下の育て方・指示の出し方 関連 仕組み化・数値化・意思決定

Story

ITベンダーのプロジェクトマネージャーが、「いい人」をやめて、基準を渡した話

ITベンダー プロジェクトマネージャー・30代後半 人間関係

プロジェクトマネージャーの原田は、半年前まで、トップの、プログラマーだった。

マネージャーになって、チームの、納期が、遅れ始めた。

メンバーの、島田が、遅れていた。原田は、知っていた。

「大丈夫? 手伝おうか」

そう言って、毎回、島田の、コードを、自分で、直した。

夜中の、一時。

原田は、島田の、作業を、終えて、ため息を、ついた。


ある日、部長の、岡部が、原田を、呼んだ。

「最近、お前の、作業が、遅れているな。マネージャーの、仕事は、できているか」

「自分の作業が、遅れているのは、メンバーの、作業を、手伝っているからで」

岡部は、静かに、言った。

「それが、問題だ」

原田は、顔を、上げた。

「お前が見るのは、自分の作業では、ない。チームの結果だ」


その夜、原田は、自分の仕事を、三つに、分けた。

自分にしかできない仕事。誰でもできる仕事。メンバーの、成長になる仕事。

メンバーの、コードを、直す仕事は、三番目に、入っていた。

自分が、やるべき仕事では、なかった。

翌日の朝、原田は、島田に、言った。

「今日から、コードは、君が、直す。私は、レビューで、基準を、渡す」

島田は、不安そうな、顔を、した。

「大丈夫でしょうか」

「納期は、金曜。レビューの基準は、三つ。動くこと、読めること、テストが通ること。それが、満たされれば、合格だ」

島田は、紙に、書いた。


最初の一週間、島田の、コードは、基準を、満たさなかった。

原田は、レビューで、一つずつ、伝えた。

「ここは、読めない。変数の名前を、直してほしい」

「テストは、まだ、通っていない」

島田は、悔しそうに、頷いた。

原田は、直したい気持ちを、飲み込んだ。

二週目、島田の、コードは、基準を、満たした。

三週目、島田は、自分から、レビューを、頼んだ。


一か月後、チームの、納期は、守られた。

原田の夜は、早く、終わるようになった。

岡部が、通りがかりに、言った。

「顔色が、いいな」

「見る場所を、変えました」

岡部は、少し、笑った。

原田は、手帳に、書いた。

見る対象は、チームの結果。

その横に、足した。

いい人より、基準を、渡す人。

この物語はフィクションです。実在の人物、団体、企業とは関係ありません。

Stories

ほかの物語

人間関係の話を先に並べています。

物語を、テーマ別に探す

悩みのテーマ

「部下の育て方・指示の出し方」を、続けて読む

このテーマの記事を、読む順番で見る