化学メーカーの品質管理課長が、説明会で白い紙を回した話
全員が、うなずいていた。全員が、分かっていなかった。
読むStory
「この段取りじゃ、無理だって。毎回、言ってるだろう」
現場監督の宮本は、朝から、ため息をついた。
職人の中西が、また、文句を言っていた。材料の到着が、遅い。図面が、分かりにくい。施主が、うるさい。
聞くたびに、作業は、止まった。
宮本は、聞いてやっていた。それが、仕事だと、思っていた。
しかし、午前中、一時間以上、聞かされて、午後の作業が、遅れた。
その夜、宮本は、現場日誌に、書いた。
愚痴の中身を、分けてみた。
材料が遅い。これは、要望。改善できる。
図面が分かりにくい。これも、要望。確認できる。
施主がうるさい。これは、感情。聞くだけで、いい。
作業を避けている話は、なかった。ただ、全部を、聞いて、作業の時間を、失っていた。
翌朝、宮本は、決めた。
要望は、受け取る。感情は、十分だけ聞く。作業の基準は、変えない。
中西が、材料のことを、言い出した。
「材料の到着が、遅い、ということですね」
「そうだよ」
「どの材料が、いつ、遅れましたか。日付を、教えてください。仕入れ先に、確認します」
中西は、少し、言葉を、止めた。
「先週の、火曜と、木曜だ」
宮本は、メモを取った。
「分かりました。今日中に、確認して、返事をします」
次に、施主の話が、始まった。
「十分、聞きます」
宮本は、時計を見た。
中西は、十分、話した。宮本は、頷いて、聞いた。
十分が、経った。
「話は、分かりました。それでも、今日の作業は、十七時までに、お願いします」
中西は、少し、不満そうだった。
「分かったよ」
三日後、宮本は、聞いた。
「どうなれば、いいと、思いますか」
中西は、考えた。
「材料は、前の日に、現場に、入れてほしい」
「それを、一行で、書いてもらえますか」
中西は、紙に、書いた。
宮本は、その紙を、事務所に、持って行った。
翌週から、材料は、前日に、入るようになった。
中西は、少し、黙って、作業に、戻った。
愚痴が、すべて、なくなったわけではない。
それでも、作業は、止まらなくなった。
宮本は、現場日誌に、足した。
愚痴は、分けて、聞く。提案に、変える。
この物語はフィクションです。実在の人物、団体、企業とは関係ありません。
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人間関係の話を先に並べています。
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読む五百円払えば、それで済む。そういう顔が、増えた。
読む悪い報告は、いつも、夕方に来る。
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読む三ページ読んでも、何をしてほしいのか分からないと言われた。
読む言ったつもりだった。伝わったのは、機嫌だけだった。
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