化学メーカーの品質管理課長が、説明会で白い紙を回した話
全員が、うなずいていた。全員が、分かっていなかった。
読むStory
リフォーム会社の営業、安西は、お客様の、リビングで、三つの、見積もりを、並べた。
「標準プランが、百二十万円。中間が、百六十万円。上位が、二百二十万円です」
お客様の、ご夫婦は、頷いた。
「どれも、いいですね」
「はい」
「もう少し、考えて、ご連絡します」
安西は、頭を、下げた。
また、同じだった。
説明は、いつも、好評だった。決まらないのも、いつも、同じだった。
会社に、戻ると、先輩の、松岡が、言った。
「選択肢は、いくつ、出した」
「三つです」
「多いな」
「選べるほうが、いいと、思って」
松岡は、首を、振った。
「三つは、多い。人は、迷う。迷うと、先延ばしに、する」
安西は、黙った。
「二つに、絞れ。そして、お前の、考えを、言え」
二週間後、安西は、同じご夫婦を、訪ねた。
「前回の、お話を、確認させてください。予算は、百五十万円以内。キッチンの、水回りを、優先。工事は、来月中。この三つで、よろしいですね」
奥様が、頷いた。
「そうです」
「それなら、二つの、ご提案です。一つは、標準プランに、水回りの、追加。もう一つは、中間プラン。ただ、私は、水回りの、追加のほうを、お勧めします。予算の、範囲に、収まり、来月中に、工事が、終わるからです」
ご主人が、聞いた。
「決めたら、どうなる」
「お申し込みを、いただければ、来週に、現地の、採寸に、伺います。工事は、再来週から、始められます」
ご夫婦は、顔を、見合わせた。
「それなら、決めようか」
「そうね」
安西は、書類を、出した。
「こちらに、ご署名を、お願いします」
帰りの、車の中で、安西は、手帳に、書いた。
確認。選択肢は、二つ。理由。手続き。
その下に、足した。
迷わせない。決めやすく、並べる。
この物語はフィクションです。実在の人物、団体、企業とは関係ありません。
Stories
人間関係の話を先に並べています。
全員が、うなずいていた。全員が、分かっていなかった。
読む五百円払えば、それで済む。そういう顔が、増えた。
読む悪い報告は、いつも、夕方に来る。
読む全部引き受けるのが、課長の仕事だと思っていた。
読む愚痴なら、毎日言っていた。
読む三ページ読んでも、何をしてほしいのか分からないと言われた。
読む言ったつもりだった。伝わったのは、機嫌だけだった。
読む質問は、聞くための道具だと思っていた。
読む悩みのテーマ