悩みのテーマ 中間管理職・板挟み

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食品メーカーの課長が、伝書鳩を、やめた話

食品メーカー 課長・40代前半 人間関係

食品メーカーの課長、野口は、朝礼で、部下に、伝えていた。

「部長から、新商品の、販促資料を、来週までに、作れと、言われた」

部下の、大野が、聞いた。

「何のための、資料ですか」

野口は、答えられなかった。

「部長が、そう言ったんだ」

大野は、小さく、頷いた。


その日の、夕方、野口は、大野が、同僚と、話しているのを、聞いた。

「課長に、聞いても、部長が言ったとしか、返ってこないんだよな」

「あの人、伝書鳩だよな」

野口は、足を、止めた。

声に、悪意は、なかった。ただ、事実を、言う、調子だった。

野口は、トイレに、入って、鏡を、見た。

そして、思った。

その通りだと。


翌日、野口は、部長の、席に、行った。

「昨日の、販促資料の、件です。何のために、使うのか、教えて、いただけますか」

部長は、少し、驚いた。

「来月の、営業会議で、大手の、取引先に、見せる、資料だ」

「それなら、取引先の、目線で、作るのが、いいですね」

「そうだ」

野口は、メモを、取った。

誰が、見るか。何のために、使うか。いつまでに。

初めて、部長の、話の、背景を、聞いた。


その日の、朝礼で、野口は、変えた。

「部長から、依頼が、あった。来月、大手の取引先に、見せる、資料だ。だから、取引先の、バイヤーが、見て、すぐ、分かる形に、したい」

大野が、頷いた。

「私は、写真を、大きく、使うのが、いいと、思う。文字を、少なくして」

野口は、続けた。

「初稿を、水曜までに、見せてほしい。部長には、私が、金曜に、見てもらう」

背景。自分の、判断。次の、一手。

三つを、足した。

大野は、手を、挙げた。

「それなら、先に、売れ筋の、データを、集めておきます」

野口は、驚いた。

大野が、自分から、動いた。


一か月後、取引先から、評価が、返ってきた。

「分かりやすい、資料でした」

部長は、その報告を、聞いて、野口に、言った。

「最近、お前の、チームは、動きが、いいな」

野口は、笑って、言った。

「伝える前に、背景を、聞くように、しました」

野口は、手帳に、書いた。

伝えるだけの、人は、いなくても、困らない。

その下に、足した。

背景と、判断を、足す人が、中間に、いる意味。

この物語はフィクションです。実在の人物、団体、企業とは関係ありません。

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