悩みのテーマ 部下の育て方・指示の出し方 関連 目的・目標・やり取りのミス

Story

公共図書館の館長が、目標を本人の言葉で言い直してもらった話

公共図書館 館長・50代前半 評価・給料

公共図書館の館長、河野は、期初に、職員の、井上に、目標を、伝えた。

「今期は、子ども向けの、イベントを、三回、企画してほしい」

「分かりました」

井上は、素直に、頷いた。

河野は、安心した。


半年後、河野は、井上の、進み具合を、聞いた。

「イベントの、企画は、どうなっている」

井上は、資料を、見せた。

三つの、イベントの、案。どれも、大人向けの、読み聞かせ会だった。

河野は、目を、疑った。

「これは、子ども向けでは、ないのか」

井上は、戸惑った。

「子ども向けの、本を、読む、イベントなので」

河野は、言葉を、探した。

河野の意図は、小学生が、一人で、参加できる、体験型の、イベントだった。井上は、保護者が、一緒に、聞く、読み聞かせの形を、考えていた。

半年、ずれていた。


その夜、河野は、ノートに、書いた。

目標を、伝えた。分かりましたと、返事を、もらった。それだけで、確認した、つもりに、なっていた。

翌朝、河野は、井上を、呼んだ。

「半年も、ずれたまま、にしていた。私の、確認が、足りなかった」

井上は、驚いた顔を、した。

「いえ、私も、聞き返せば、よかったです」

河野は、首を、振った。

「あらためて、目標を、すり合わせたい。今期の、目標を、井上さんの、言葉で、言うと、どうなる?」

井上は、少し、考えて、言った。

「子ども向けの、イベントを、三回、企画する、ということです」

河野は、頷いた。

「子ども向け、とは?」

「保護者と、一緒に、参加する、読み聞かせ会、だと、思っていました」

河野は、息を、吐いた。

「そこだ。私は、小学生が、一人で、参加できる、体験型を、考えていた」


二人は、一時間、話した。

目的は、何か。子どもが、本に、親しむきっかけを、作ること。

目標は。小学生が、年に、三回、体験型の、イベントに、参加する。

井上は、驚いた。

「それなら、工作や、スタンプラリーも、いいですね」

河野は、頷いた。

井上の、案が、次々と、出てきた。河野は、メモを、取った。


その日の夕方、河野は、すり合わせた、目標を、メールで、井上に、送った。

「今期の目標。小学生が、一人で、参加できる、体験型の、イベントを、三回、企画する。一回目は、十二月」

翌月、井上が、一回目の、企画を、持ってきた。

スタンプラリーの、企画だった。

河野は、思わず、笑った。

「いい。これで、行こう」

河野は、手帳に、書いた。

目標は、本人の言葉で、言い直してもらう。

その横に、足した。

分かりました、は、確認ではない。

この物語はフィクションです。実在の人物、団体、企業とは関係ありません。

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